エルメス傘下のジョンロブ・パリ=通称ロブパリは1990年代中後半、一部の既製靴の生産委託をしていた当時のエドワードグリーンの工場(いわゆる「旧グリーンの工場」)を買収し自社のものにしたのに伴い、同様に委託していたもう一つのメーカー=クロケット&ジョーンズとの契約を満了させます。クロケット側としては残念な事態でしたが、逆にそれまでのロブパリ限定仕様のノウハウを自社ブランドや他のOEM製品にも展開する好機と捉え直し登場させたのが、今日いわゆる「ハンドグレード」と呼ばれるシリーズです。この靴はその初期モデルで、今日ではこのシリーズの通常品では用いなくなった#330木型を用いています。ちなみにこれ、日本のある有名な靴店の上級グレードには今でも用いられている「癖の少ない万人向けの木型」と申せば、長年の靴好きならすぐにピンと来るはず! アッパーの左足の親指付近と外くるぶし側のかかと付近に小傷があるもののあまり目立つものではなく、アッパー全体の革のコンディションは現行品とは比べ物にならない位に良好です。アッパーのお手入れと共に、ソールのつま先補強とヒール交換を弊社・大阪店で念入りに行いましたので、買われた直後からフル稼働が可能。出そうでなかなか出てこない大定番・黒のキャップトウですので、お探しだった方はお気軽にお問い合わせくださいませ。価格:お電話またはメールにてお問い合わせ願います
サイズ:クロケットの木型#330の6E(素直に通常のイギリス靴の6E相当です)