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葛利毛織から手間隙かけて丁寧に織られた素晴らしい限定生地が入荷しました!

「葛利毛織」という生地メーカーをご存じでしょうか。

愛知県一宮市にある、1912年創業の老舗生地メーカーです。弊店では昔からお取り扱いしておりますので、お客様はご存じの方も多いかと思います。
所謂”尾州の機(ハタ)屋さん”も今では大分減ってしまいましたが、この会社では1930年代製造の「ションヘル織機」を今でも現役で稼働させて生地を織っています。

毛織物をはじめとした生地(織物)は、縦糸(経糸)に横糸(緯糸)を通しながら織り上げていくわけですが、生地を織るスピードは、この緯糸を1分あたりに通す回数で表される事が一般的です。
自動織機には様々なタイプがありますが、糸を巻いた「シャトル(日本語では「杼(ひ)」とも呼ばれます)」を、往復させることで経糸の間を通していく方式の機械を「シャトル織機」と言います。ションヘル織機もシャトル織機の1種です。

シャトル織機で織った織物の特徴は、①セルビッチ(耳があること)、②生地の膨らみがあること、③柔らかいこと、です。一般的なシャトル織機は1分間に180~270回転で動かしているそうですが、葛利毛織では1分間に90回と、2分の1から3分の1のスピードで織り上げています。ガシャン、ガシャンと音を立てながら織り上がっていく様子はさながら機関車のようです。ゆっくりと、少しずつ織り上げることで、更に個性がはっきりした、手織りのような風合いまで感じられる生地が作成できるというわけです

もっと後の時代に誕生した他の方式の織機でも同じような質感の生地を織ることはできるそうですが、スーツ文化が華開いた1930年代に作られた機械で織られた、往時と同じ風合いの生地が新品で手に入る、というところにロマンを感じませんか。

ちなみに、化学繊維や超細番手の糸で作製する現代の高速織機はシャトルのようなアナログな仕組みは無く、糸(繊維)自体をインジェクションノズルから射出することで分速10,000回以上の超高速で織り上げていく物もあります。こうなりますと生地が織り上がる様子を人間の眼で追うことはもはや不可能ですね。

イギリス推しの弊店ですので、やはり舶来、殊に英国生地に目が行きがちでしたが、昨今の為替の影響で舶来生地が高騰してしまったことから、コストと品質の両面から国産生地を再発見する機会となっていることは寧ろ喜ばしいことです。皆様にも良さを知って頂けたらとても嬉しいです。

先日葛利毛織さんに直接お伺いしました際、特別な生地をご紹介頂けましたので限定販売させて頂きます。
気になる方は現物を見にいらして下さい!

①焦茶のビンテージフランネル
茶の中に赤や黄色緑等の糸が見えるピート(泥炭)色の生地です。
とても色を拾って合わせやすい色です
W100 420g/m

②チャコールフランネル
Foxフランネルの580gに対抗できる生地です。今ならコートにするのも十分な生地ですですが拘ってスーツと言うのも有りだと思います。
少し茶味がかったチャコール色がビンテージ感を醸していて素敵です。
W92%カシミア8% 550g/m

➂ビンテージシャーク
グレー地に微妙なカーキっぽいニュアンスが付いたシャークスキン。
しっかりテンションが掛った生地は思いの外柔らかさもあります。
糸の撚りの組み合わせで硬くて靱やかなハリのある不思議な生地になっております。
クラッシックスーツにすると最高のシルエットが出ること請け合いです。
W100% 450g/m

お仕立て代はスーツのグレードによって変わってまいりますので、生地をご覧いただいた際に店の者にご確認ください。お仕立て内容の違いも含めてご説明差し上げます。

2024-06-10 UPDATE

OLD HATはロンドンのフルハムにある世界的に有名な英国ヴィンテージクロージングの有名店です。
弊店はそのお店の姉妹店になります。

残念ながら、今では我々がヴィンテージとして売れるクオリティーの高い古着が入手困難になってしまった為、ロンドン店のオーナーと共にクオリティーの高い英国服を復刻させようと試みました。しかし、かつて素晴らしい服を作っていた工場は次々倒産・閉鎖して、現在ではもう我々の知る良質の英国製品を再現することができなくなっていました。

そこで、世界で最高の縫製技術が残っている日本でそれを再現することを選びました。日本の規格とは全く違う英国のスタイルを再現するのに相当苦労し、メーカーに多大な協力をお願いして、弊店のオーダーラインナップは完成しました。


英国スーツスタイルの本質は普遍的で着る人を引き立てることにすべてを注ぎ込みます。その人、その場の全体の雰囲気を上質に変えることができるのが英国のスーツの真髄です。

我々は1960~70年代のサヴィル・ロウにあった往年の、"既製服のRolls Roice" Chester Barrieや Henry pooleのビスポークスーツ等多くのアーカイブを研究し、その結果我々が納得する英国の伝統を踏襲したスーツスタイルを再現することができました。

OLD HAT レーベルでは、古着では難しかったジャストサイズをヴィンテージ生地等で往年のスタイルを再現して提供できるようになり、多くのお客様のご要望に応えることができるようになりました。100年以上の服飾アーカイブを見続けてきた弊店では、歴史上の様々なスタイルをご相談可能です。可能な限りご要望にお応えしたいと思います。

SWINGレーベルでは多少制約はありますが、お客様個人個人の体形に合わせた補正を行い、普遍的でビジネスに於いて味方になるスーツをご提案させて頂きます。
弊店では、お客様にとってのウェルバランスをご提案させて頂き、流行に左右されないお客様のキャラクターを引き立たせるスーツ、特に営業の方には丈夫で自分に自信の持てるパワースーツをご提案させて頂きます。

最後に、ご縁あって弊店に辿り着かれた多くの方に本物の服を着る幸せを感じて頂ければそれが、我々スタッフ一同の喜びです。そのために、これからもより良い商品を追及し続けて参りたいと思っております。